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Re:CREATORS10話雑感

  • セレジアさんと松原さん

松原さん良かったですよねー。「俺がお前の作者な限り、お前にそんな間抜けな死に方絶対にさせねぇぞ!」感動しました。多分セレジアさんも感動したことでしょう。いや、セレジアさんは感動とは違うかな。これは信頼ですよね。

以前僕は「現界して一番価値観が揺らいだのはまみか」という風に言いましたが、

自分たちのいた世界が創作だったと突き付けられた他の被造物達も価値観は揺らいだはずです。けっこう平気な顔をしている連中が多いせいで気づきませんでしたが、セレジアさんは「平気じゃない」側の人間だったのでしょう。同じく騎士のアリスちゃんも言っていた通り「信じられるモノが何も無い」。そんな中で、セレジアさんは自らの創作者を信頼することができた。うろ覚えですがセレジアさんは2話でまみかに「どう行動するかは神様を見定めてから決める」という旨の発言をしていました。セレジアさんは神様を見定めて、信頼を返したということですよ。幸せですね…。

世界というモノを主観的に捉えると、自分と自分以外のモノという風に分けられると思います。当たり前ですが自分以外のモノは、自分で思い通りにコントロールすることができません。僕はリンゴが地面に落ちることを止められないし、太陽が西から昇るようにすることもできない。他人の好き嫌い、何を感じて、何を考えて、どう行動するのかを僕はコントロールできない。僕が何もしなくても社会は回っていくでしょう。自分の知らない所でいろいろなものが動いていて、自分でコントロールできないモノが、自分に様々な影響を与えていく。それは当然のことだと思います。

それと同じように、僕は自分のことだってコントロールできるものじゃないと思っています。そう思ったことはありませんか?何が好きで何が嫌いか、何を感じて何を考えるのか、どういう時にどういう行動をとるのか。僕は基本的に内向的な人間ですが、自分で「内向的な性格であれ」と決めたわけではありません。生まれ持った性質と、これまでの経験、選択だとも気づかないような小さな選択の積み重ね、そういう僕の制御下にないファクターが、僕の性格を作り上げました。そうやってできあがった「僕」は僕の全てを支配していて、僕の行動を決定していきます。「僕」は、もう僕にはどうしようもなくコントロールできないモノだと思うんですよ。

自分の外側にあるコントロールできないモノと、自分の内側にあるコントロールできないモノが世界を形作り、人生を決定している。それはもう「運命」と呼ぶべきモノですよ。自分の内側と外側のコントロールできないモノが「運命」なんですよ。被造物達は自分の内側も外側も、創作者によって作られた偽物だと突き付けられました。騎士ちゃんはそれで何も信じられなくなった。それは運命に対する不信です。多かれ少なかれセレジアさんも、その不信を抱いていたんでしょう。でも今回松原さんにこんな死に方はさせないと言われて…自分の命をきちんと全うさせてもらえるとわかって…きっと自分の運命を信頼できたんだなと、僕は思いました。運命を信じるということは、自分を信じることであり、他の誰かを信じることです。そしてそれは目の前の神様を信じることで、その向こうにいる「皆」を信じること。神様たちはその信頼に、力を授けるという最高の形で応えてくれた。素晴らしい流れじゃないですかね。