眠る前に2杯だけ。

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テスタメントシュピーゲル3下が7月1日刊行決定!

テスタメントシュピーゲル3 下 (角川スニーカー文庫)

ライトノベルで一つ、傑作を挙げろ。

そう言われたら僕はシュピーゲルシリーズを推します。

メカ×美少女という「お約束」な表面から語られるのは身体障害や心的障害、テロリズム、宗教紛争、人種差別、アンダーグラウンドの経済と、ライトでもなんでもない重さ。息も切らせぬ怒涛の展開という言葉の似あう物語でもありました。オイレン/スプライトシュピーゲル2巻なんかは、初っ端から最後まで7つのテログループが原子炉をリレーしながら核爆弾を製造するのを治安組織が追い続け、言うならクライマックスがずっと続いているようなお話で、瞬きも許さぬ緊迫感がたまらなかった。そういう展開の面白さのみならず、事件を追いかけるキャラクター達自身の心の暗闇や過去のトラウマとの戦いの軌跡、苦しみの中で精神の血を流しながら、それでも生きる、生きることを諦めないその輝きに、胸を打たれてきました。out of controlな事件と、同じくout of controlな心の鏡合わせ。その両方を克服する、主人公の姿から目が離せませんでした。その最後がどのような姿になっても、この物語がすばらしいモノになると確信しています。

オイレン1から数えるともう10年経ちます。そんなに経つのかと、驚いてしまいますが……テスタメント1から長らく刊行されなくて、もう読めないんじゃないかと思っていたこともありました。数年越しに2上が刊行された時は嬉しくて嬉しくて涙が出た。今年3月1日に刊行予定だった3下は冲方先生の病気療養で延期されていましたが、来月刊行が決まったそうです。これは本当に嬉しいなぁ。ついに完結ですよ。最幸の気分。めたくた楽しみだ!