眠る前に2杯だけ。

カードゲーム(WIXOSS)やアニメマンガ小説についておしゃべりします。

ネタバレは悪いことだとみんな言うけれども

僕のスタンスとしてはネタバレはなんでもOKで、なんだったら自分から情報を集めていくタイプです。何が起きて誰がどうなって誰が死んで誰が犯人でどういう結末を迎えたのか、最初から最後までのすじを調べてから本編を見た読んだこともあります。それでも僕にとっては何も面白さは損なわれていません。

 

たとえば、「女の子がお母さんにお使いを頼まれたので、スーパーまで歩いていたら石につまづいて転んで泣き出す」というストーリーの御話があったとして、そのストーリーを知らない僕が友人に「女の子が泣くよ」と結末を知らされたとしましょう。その情報でこのお話のことがどれだけ理解できますかね?果たしてこのお話は泣くことを「良いこと」として描いているのか「悪いこと」として描いているのか、それさえもわかりません。そんなことは関係なく女の子が泣くことの悲しさを表しているのかもしれませんし涙の美しさ泣き顔の可愛さを伝えたいのかもしれない。もしかすると女の子が泣いているのに誰も女の子に手を差し伸べない現代社会の他人への無関心さに警鐘を鳴らしたいという可能性もあります。さらに言えば、友人は「女の子が泣く」ことが結末だと思ったかもしれませんが、「石につまづいて転ぶ」のが結末で「泣く」のは蛇足・エピローグなのかもしれませんし、「泣く」のが結末でも大事なのは「お母さんにお使いを頼まれる」「スーパーまで歩く」ことの方なのかもしれません。ここで重要なのは友人がストーリーの全て「女の子がお母さんにお使いを頼まれたので、スーパーまで歩いていたら石につまづいて転んで泣き出す」を僕に伝えたとしても、このお話がどういう話なのかというのは本当はまったくわからないということなんですよ。結局のところお話っていうのは、実際に見て聞いて感じて考えなければワカランのです。仮に友人が、このお話がどういう話なのかの解釈を交えながら全てネタバレしたとしても、それは友人の解釈でしかないので、自分で見なければならないのは変わりません。

 

つまり僕はストーリーをあまり重視していなくて、ストーリーが導き出すモノ・ストーリーで表現されるモノを重視しているんですよ。主題はストーリーに優越するということです。ネタバレというのは基本的にストーリーにしか適用できないと思いますので、僕はネタバレに対しては無敵の人間なわけです。なのでネタバレに関しては鈍感です。流石に結末だったり重要な仕掛けをばらしてしまうのはイカンというのは理解できますので自分では気をつけているつもりですけど、まぁ根本的には大したことないと思っているので、このblogでも不意にネタバレしてしまうかもしれませんから皆さん気をつけてください。まぁ気をつけるのは僕なんですけどね。ネタバレのラインって人それぞれだから……。

 

しかし、最近ネタバレに対して敏感すぎる人多くないですか?ネタバレの幅が広いというか、「え?それもネタバレ認定しちゃうの?」みたいな。サクラダリセットの春埼美空の髪がショートなイラスト見て「ネタバレされた……あいつ髪切るのか」って言ってた人いましたよ。衝撃的でしたよ。それは潔癖過ぎでしょう。そんなしょーもないことまで白紙の状態で鑑賞することにこだわってもなぁ……。

何年か前にミュータントタートルズの映画の話をしていて「ラファエロが敵から逃げ出す時にいつの間にか敵が消えてて『あいつら何処行ったねん』って思った。」と話そうとして「ラファエロが敵から逃げ出す時に~~」と話し始めたら、その場のメンバーの一人から「ネタバレされた!最悪!」と怒られたことがありました。何時何処でどんな状況でどういう経緯で何のために逃げ出すのかを言わなくてもネタバレになるのか……と思った僕は素直に謝って、じゃあレオナルドのアクションのカッコよさの話をしようと「レオナルドが闘ってて~~」と話し始めたらまたその人に「またネタバレされた!こいつ信じられない!」と言われ逃げだされたという経験があります。正直「レオナルドが闘うっていうのがネタバレかよそりゃ闘うでしょアクション映画やぞ頭おかしいんとちゃうか?」と思いましたがグッと堪えて謝りました。まったく納得がいきません。責任者は何処か。

 

情報を受け取った側がネタバレだと思えばネタバレ。ネタバレが悪とされる現状ではまさに悪魔の論理。誰もかれもが加害者に成り得る状況ですよ。ネタバレ容認派の僕は民衆から「ネタバレを許すな!」と火あぶりにされる恐怖に慄きながら生きていくほかありません。嫌な時代だわ……。

 

結局「ストーリー」というモノに支配され過ぎなんですよ。ストーリーなんてモノは「女の子がお母さんにお使いを頼まれたので、スーパーまで歩いていたら石につまづいて転んで泣き出す」と書き出せる程度のモノで、本当に大事なものはストーリーの向こう側にこそあると僕は思うんですけどね。なんだか何が言いたいかわからなくなってきたのでこの辺で終わりましょう。以上、ネタバレが悪という風潮に対する愚痴でした。