眠る前に2杯だけ。

カードゲーム(WIXOSS)やアニメマンガ小説についておしゃべりします。

されど罪人は竜と踊る19

されど罪人は竜と踊る19 灰雪の蹉跌 (ガガガ文庫)

 

スニーカー文庫時代から読んでいますがアニメ化というのが未だに信じられない……。事件のたびに誰かが必ずレイプされて殺されるみたいな話をアニメにして大丈夫なのか?……まぁアニメ化嬉しいんですけどね。

長く過酷だった「使徒編」を終えてしばらく経ちますが、そこからの展開には正直驚きましたよね。主人公二人だけの事務所だったのが仲間を得て数十人規模に膨れ上がり、所帯を持ち、これから子供まで生まれるときた。あんなに自分の過去を引きずってた男がなぁ。すごく落ち着いた。すごく前向きになった。恋人と別れたときなんか、もうダメだと思ったものですけど、その恋人と結婚するんだからねー。いや、「され竜」のことなので、次のページではこの幸せは破滅してる、ぐらいの心構えで読んでるんですけど、驚くべきことに最新刊でも壊滅していません。もう大丈夫なんですか!?信じていいの!?

主人公のメンタル、足元が固まったおかげで、次の巻から「宙界の瞳」周りの物語の核心のフェイズへ進むようです。長かったな……

 

さて今回の巻は短編集でしたが、ざっくり言うと小児性愛者の話と復讐者の話、にカテゴライズできると思います。最近気づいたんですが僕は復讐が好きです。復讐という形をとる物語に魅せられてきました。何故なんだろう?と考えてみましたが、復讐というものは間違っているけどやる、そういうものだからなんだなと思います。復讐は社会通念上、道徳的倫理的に正しいとは言えません。言えないよね?どんな相手だろうと人を殺せば罪になり、復讐者本人も周りの人間も、誰も幸せにはしないでしょう。でも、やる。それが良いんですよ。自分も誰も幸せになれなくて、世界のすべてから否定されても、やらなければ自分ではいられなくなる。世界でたった一人きりの、自分自身を貫くということ、その想いが僕の心を震わせます。作中でも否定されていた「復讐に意味は無い」「死者はそんなことを望んでいない」という言葉、僕も嫌いです。意味を求めているわけでも誰かのためにやっているのでもないんだ。